どうも、現役ポンコツフィールドエンジニアのかいそん(@kaison_retire21)です。
Sさんからいただいた、追加の質問について回答していきたいと思います。
前回の記事をまだ読んでない方は以下から。
→【半導体フィールドエンジニアのつぶやき】ブログ読者様からの質問①
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ブログ読者様からいただいた追加の質問詳細【フィールドエンジニア】
かいそんさんお忙しいところ早速のお返事ありがとうございます。半導体フィールドエンジニアに携わっており、ブログで情報共有してくださっている方が少ないので、 ブログ更新という形で教えて頂くのは大変ありがたいです。 Twitter や5chで検索するとどうしてもネガティブ(もしくは真実)な意見が多かったので現場の方からの実際の話を聞けるのはとても参考になります。 追加の質問で恐縮ですが、以下の画像で表示されているように海外駐在の可能性は高いのでし ょうか。 文脈的に海外出張を意味しているのではと思ったのですが、
現場の方から実際に起きている事をアドバイスいただければと思い ます。
精神と肉体両方共に激務な印象なので、まずは1年耐えて資金を集めつつ海外工場(欧州) に常駐できればモチベーションを維持できるのかなと思った次第で す。 記事楽しみにしております。
確かに、インターネット上ではネガティブな情報がかかれていたり、逆にいいことしか書かれてなかったりと何が本当なのか疑問に思われる方も中にはいると思います。
上記の画像より、現役エンジニア(2022年10月現在)の僕がこの業界や仕事について回答していきたいと思います。
会社や地域、時期によっても変動はあると思いますので、参考にしていただければと思います。
24時間オンコール即日対応/シフト制なのか?
これは会社によります。
僕は夜勤はしたくないので、5勤2休の日勤で働いていますが、
中には2交代制、3交代制のシフト制で4勤2休、3勤3休で働く会社もあります。
日勤でもトラブルで2交代制を組まれることもありますが、基本日勤なら日勤で働くことになると思います。
会社によるので、夜勤がしたくないという方は日勤だけのところもあるので探してみるといいかもしれません。
トラブル時即日対応かどうかですが、トラブったら基本その日に対応します。
例えば、メンテナンス作業が入っていても、それをすっ飛ばすか、トラブルが対応が終わってからメンテナンスに行くなど、トラブル対応が優先になります。
メンテナンス部隊、トラブル部隊と別れている部署はトラブル隊が対応することになりますし、休日呼び出されるかは会社にもよると思います。
今のところ、急に電話がかかって『今すぐ来て!』と言われたことはないです。
大体、休日明けの初日に朝から対応に入っています。
スキルが身に付かないので半導体業界にしかいられない?
確かに、スキルといったスキルはあまり身に付きません。
Aという装置で使えても、Bという装置では全く使えない知識なんていうのはザラだからです。
ただ、トラブル時の考え方だったり、客先との交渉術だったり、電気や機械の知識、構造、工具の使用方法など、
基本的なスキルは習得できるので、それが応用できるかどうかだと思います。
フィールドエンジニアは、半導体業界に限らず、コピー機やIT系システム、家電や別業界の向上などいろんな会社で募集があるので、
フィールドエンジニアに限定したとしても半導体業界でしか働けないかというとそんなことはないと思います。
海外在住についてはどうなのか?
これも会社によります。
希望がなければ転勤なしの会社もあれば、数年おきに国内外問わず転勤という会社もあるからです。
中には、海外在住を前提とした会社もあるので、海外で働きたい場合は求人票に、
『数年後は海外で働くことを想定しています。』等、海外に対して積極的な会社を選択するといいかもしれません。
ただ今のところ、日本の半導体シェアは数%?と少なく、日本の会社も海外進出へ積極的になってきているので、
どの会社でも海外へ行くチャンスはあると思います。
ただし、海外へ働くにあたって壁となるのが英語を話せるかどうかです。
日本で働いていても外国人と同じチームや部署になって働くことがありますが、彼らは日本語がペラペラです。
なので日本人が海外へ行くなら英語がペラペラなのは前提というか、当たり前という目で見られると思います。
ちなみに外資系の会社だと英語力が求められたり、手順書が外国語で書かれてあったりします。
エレベーターの中で他社の方の話を聞いていると、日本人だけど英語や中国語がペラペラということはよくあります。
もし海外で働きたいという方がいたらこの業界だと海外へ行くチャンスはありますが、語学力がないと、
激務の後、家に帰って装置+語学の勉強という事になる可能性が高いので、ちょっとしんどいかもしれません。
半導体フィールドエンジニアは結婚できない?
僕が大手自動車メーカーで働いていた頃は、結婚率が90%くらいで結構高かったです。
新人の頃は給料が安いですが、年数が経てば勝手に昇給して、上司はかなりの額の給料をもらっていました。
それに、年三回10日くらいの長期休暇が3回あり、有給消化率も100%だったのでお金と時間に余裕があったからだと思います。
(僕は入社後すぐに辞めてしまったのですが。)
しかし、半導体業界に来てから、確かに結婚率は少ない気がします。
これも部署や会社によって違いますが、独身男性の方が多い印象です。
激務やストレスでそれどころじゃないというのが現実だからです。
中には、性欲すら全くなくなった、女性に全く興味がなくなったという人も何人か見てきました。
それに、転勤や海外へ出張が多いと子供ができても可哀そうですし、残業やストレスが多いので家庭が崩壊してしまう可能性も少なくはないと思います。
もちろん、その限りではないですが、結婚願望がある方はこの業界はちょっとビミョーな気がします。
逆に、お金を貯めて独身セミリタイアしたいという方がいたら、
仕事に耐えられるメンタルとストレスで散財しない精神力があれば平均年収以上は稼げると思うのでオススメかもしれません。
常に求人が出ており、企業に使い捨てされる?
確かに、この業界は常に求人が出ていますね。
使い捨てにされるというよりは、耐えられずに自己都合で退職される方が多い印象です。
今は右肩上がりなので使い捨てにされる可能性は低いと思いますが、以前はそういうこともあった時期があるみたいですし、今後どうなるかは不明です。
ただ、考えようによっては雇われられる側が会社を使い捨てにすることも可能です。
例えば、”Aという会社で3年頑張って、知識を身につけて大手メーカーZに入社する”ということは可能ですし、そういう話もよく聞きます。
未経験で誰でも大手メーカーを目指せるというのは、この職が合う人には好条件な職種だと思います。
見て覚えろの現場主義なのか?
これは前回の記事でもお伝えしましたが、工場は現場仕事なので『見て覚えろ。一回で覚えろ。』という風潮はなくはありません。
なので、指示待ちをしていたり、ボーっと突っ立っていると、
『お前は指示待ち君か。突っ立っとくだけなら帰れ!』
『何ボーっと突っ立っとんねん。前にこの作業はいったろうが。』
と新人でも言われることがあるので、自ら考えて行動できない人だったり、環境に適応できない人だとちょっとキツイかもしれません。
僕も言われたこともありますし、最近入ってきた新人はメンタル病んで辞めてしまいました(笑)
ただこれも、会社や部署によって当たりはずれの要素が大きいと思いますが、
これからこの業界で働こうと検討しているかたがいたら常軌を頭に入れておいて損はないかもしれません。
最後に 精神肉体と共に激務なのか?
Sさんは精神と肉体両方共に激務な印象なので、とおっしゃられていましたが、まさにその通りだと思います。
肉体については基本的に小さなパーツしか扱わない部署もあれば数十キロの重たいパーツを扱う部署もあり、
工場の広さや個人の体力によって変わってくるので一概には言えませんが、
労働時間が長いのと毎日長距離を歩く可能性が高いので、体力が全然ないという方にはオススメできる仕事ではありません。
また、現場作業もそうですが、事務処理もフィールドエンジニアはこなさないといけません。(現場と事務員分かれている会社や部署もあるみたいですが。)
ミスをすれば大損害なので常に気を遣いますし、気を付けていてもやらかしてしまう時があるので、精神的には凄く消耗します。
その結果、休日は寝るだけ何てこともザラにあります。
(外向的で仕事ができる人はそうではないかもしれませんが。)
厳しいことを書いたかもしれませんが、未経験でも稼げる可能性があるのは事実ですし、
大手メーカーに就職して残業代、夜勤代、出張代が重なれば同年代よりも金銭面では有利になるかもしれません。
ただ、仕事のきつさはそれ相応なので、自信がない方にはオススメしません。
逆に、少しでも興味があるという方は、現在求人がたくさん出ていて、
やる気さえあれば内定を貰えるような状況にあるので、チャレンジしてみるのも一つの手だと思います。
PS.
半導体フィールドエンジニアについて○○が知りたいという方がおられましたら、コメント欄かお問い合わせフォームにて気軽にどうぞ。
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